【ほんのかんそう】バフェットの財務諸表を読む力:大不況でも投資で勝ち抜く58のルール
長期目線で投資活動をしたいという初心者~中級者におすすめの本です。
ウォーレン・バフェットさんは有名な投資家で、世界的なお金持ちです。
ご本人が本を書かないことで有名で、唯一ご本人の言葉を取材して生い立ちなども書いたという「スノーボール」は以前読んだんですけど、銘柄分析の方法をちゃんとまとめた本が出ているとは知りませんでした。
著者はふたり
「バフェットの財務諸表を読む力」は著者がメアリー・バフェット&デビッド・クラークさんとなっています。財務諸表の項目順にとてもスッキリとバフェットさんがやっていることを整理してあります。
何が書いてあるか
タイトル通りの内容です。
たとえば「人気トレーダー直伝!10倍になる銘柄のみつけかた」てきな本と違って人気トレーダーの自分語りとかが書いてなくていいなというのが第一印象。
(ちな、こんな本はありません)
では目次を参考に何が書かれているかを並べてみます。
・バフェットをお金持ちにした発見とは
・損益計算書の読み方
・貸借対照表の読み方
・キャッシュフロー計算書の読み方
・補足的な内容(売買のタイミングなど)
※財務諸表の読み方はすべてバフェット流の方法です。
この本のキーワード
バフェットさんは、独自の方法で選び抜いた銘柄を超長期で持つことで有名です。
一般に「バリュー投資」と呼ばれているものです。(個人的には呼び方はどうでもいいと思ってます)
この、彼が選び抜いた銘柄を「永続的競争優位性」のある銘柄と呼んでいるということで、
「永続的競争優位性」がこの本のキーワード。(私にはうまく定義できないので定義はスルー。なんとなく字面と雰囲気で理解した感じになってます。良い株ってことでしょうw)
この本は、財務諸表から「永続的競争優位性」のある銘柄を探す方法を書いてくれているということです。
彼がどうやって銘柄を選んでいるのかは、誰もが知りたいところですが、この本にポイントだけでもちゃんと全部書いてあるというのはほんとうにありがたいです。
しかも220ページにまとまってる。
短くて読みやすい。
個人的によかったところ
無駄なことが書かれていないので、全部良かったです。
最後の付録に「永続的競争優位性をもつ企業の財務諸表」と「もたない企業の財務諸表」の例を対比していてこれも読んだことを復習して整理し、実践に生かすためには有用でした。(生かせたというほどもうからん私ですけど)
で、順に項目ごとに読み取り方を教えてくれるわけですが、株のことを最近勉強しはじめた私にとっては「のれん代」などどう捉えていいのかわからなかったところが、バフェット先生にささっと教えてもらったという感じですごい得した気分になりました。
次に四季報を読むときも、楽しく読めそうです。
「永続的競争優位性」を持つというのは、例にあがっているコカ・コーラ社(ティッカーKO)のように長い間続けられるビジネスモデルであるということでもあります。彼はこういう銘柄を30年とか長い間持つということを続けているのです。
この例はとてもわかりやすく、株とか知らない人に話しても納得してくれそうです。
あ、用語集もありましたが、索引方式で言葉のあるページ数も書いてくれるとよかったかな。
ほんの情報、資料室
最初に書いた通り、長期目線の投資家の方にとって役に立つと思います。
ごく少数ですが、センスでスキャルピングをされるタイプの方がいらっしゃいます。
そんな方もこのくらいは知っておいてもいいのではとも思います。
ちなみにこの本の財務諸表は米国式です。
項目は日本語訳がしてありますが、訳者の方がところどころ「これは日本では〇〇にあたります」と注意書きをしてくださっています。
ただし日本のものと違うところもやっぱりあるので、自分でも検索したりしてがんばりたいところです。
本の中に財務諸表を見られるところが載ってますが、結構大変です。
そこで適当にティッカーと組み合わせて検索して見つけます。たとえば「nasdaq KO balance-sheet」などと検索すると財務諸表を出してくれます。
(balance-sheetは貸借対照表)
私は本のとおりに項目を見たいと思ったので、印刷してみました。
グーグル翻訳して印刷するのも良さそうですね。
日本の財務諸表よりも見やすいと感じるのですが、個人差もあると思います。
この本の内容は日本株の分析に応用できそうなので読んで損はなかったですが。
また、日本の企業は米国式に変わったところも多いです。
では本の情報です。
「バフェットの財務諸表を読む力ー大不況でも投資で勝ち抜く58のルール」
ついでに
「スノーボール」上中下